エギングという釣りは、本当に奥が深くて、そして時として残酷なほど難しいものです。
ビギナーの方から「釣れたけど、なぜ釣れたのか分からない」という声をよく聞きます。実は私自身、今でもそうです。何となく投げ、何となくシャクって釣れた一杯に癒やされることもありますが、やはり分析が追いつかないと、次に繋がる「再現性」が生まれません。
しかし、「考えて、仮説を立て、それがハマった瞬間」の快感は、何物にも代えがたいものがあります。今回は、私のエギングライフの中でも、自分なりの「策」がピタリと的中した、記憶に残る3つの「狙い通りの一杯」をご紹介します。
①春の産卵期:ナイーブなはずの親イカが……

場所は九州某所の堤防。時刻は夜9時。 そこはディープ帯からの駆け上がりが狙える超一級ポイントでしたが、あいにく先端には先行者の姿。私は仕方なく、横のシャロー帯へと入りました。
そこは藻がびっしりと生い茂り、エギを通せる層はわずか2mほど。場所によっては水面まで藻が顔を出しているような、極めて攻めにくい状況です。
「春の親イカ=スローでナイーブ」というのが定石。しかし、ここではフォールもステイも満足にできません。そこで私はあえて「アグレッシブな横の動き」を選択しました。
- 使用エギ: エギ王K スーパーシャロー カクテルオレンジ
- 戦略: ロッドを立てて沈下を抑えつつ、シャクリは上ではなく横へ「サビく」ようなダートを意識。
「春だから止める」という固定観念を捨て、藻の上を逃げ惑うベイトを演出した結果、暗闇の中から2.68kgのデカオスイカが猛然とダッシュしてエギを引ったくっていきました。状況に合わせた「攻めのエギング」が勝利した瞬間でした。
②春の産卵期:激スレエリアで見せた「静」の真髄

次は関東某所の磯での一幕。夜11時。 岩場、砂場、藻場が混在するいかにもなエリアですが、周囲のアングラーは皆ノーバイト。プレッシャーは最高潮でした。
私は何度も通い込み、どこに根があり、どこに砂地が広がっているかを頭に叩き込んでいました。選んだのは、今は亡き名作カラー『エギ王Kノーマルタイプ パープルシャドウ』。
根掛かりしないピンポイントを知っているからこそできる、博打に近い「超ロングステイ」を敢行。
- 着底後、一度大きくアピール。
- 再着底させ、そこから30秒以上のボトムステイ。
殺気を消し、海底にエギを「置いた」状態。周囲が諦めモードの中、突如として手元に伝わったのは強烈な違和感。合わせを入れた瞬間の、ドラグを悲鳴とともに引き出す爆発的な初速は今でも忘れられません。上がってきたのは2.70kgのモンスター。
「ここでならエギを止めておける」という地形把握が、スレきった親イカの警戒心を解いたのです。
※ボトムステイの極意
当サイトでは春のボトムステイに特化した「ボトムステイ攻略ガイド」も公開しています。このコラムを読み終わった後でOKですので、是非合わせて通読下さい。
③冬場の激渋状況をひっくり返す「奇をてらった攻め方」

最後は、冬の関東某所。 回遊待ちのポイントですが、水温低下もあり状況は最悪。近くのアングラーも「今日は誰も釣れていない」と漏らすほどの激渋日でした。
皆が赤や紫といったシルエット重視のカラーを選び、底付近をスローに、ネチネチと攻める展開。しかし、同じことをしていても結果は目に見えています。「どうせ釣れないなら、一番やらないことをやろう」。
私は夜中にも関わらず、『エギ王K シャロー ブルーポーション』を投入しました。
- 戦略: ケイムラカラーを選択し、表層付近をショートピッチジャーク&短いテンションフォールでテンポよく探る。
- 意図: 低活性な個体を無視し、回遊している「比較的高活性な個体」の目先を強制的に変える。
結果は500g程度でしたが、周囲が沈黙する中で叩き出した「唯一の釣果」。 「冬=底でスロー」という定石をあえて外したこの一杯は、どんなキロ超えよりも「自分の意思」が通った嬉しい獲物となりました。
筆者ナバの相棒紹介
ここまでの話でお気づきの方も多いかもしれませんが、私は「エギ王K」ばかり使っているように見えますよね(笑)。
もちろん、他のエギもたくさん持っていますし、実際に結果を出しているエギは他にもあります。でも、極限の状況になればなるほど、気がつけばこのエギを手に取っている自分がいるんです。
エギング中の私は、腰にジャラジャラとカラビナを付けて、スピーディーに交換できるようにカラーローテーションを組んでいます。ふと見ると、そこにぶら下がっているエギが全部エギ王Kだった……なんてことも珍しくありません。
理由はシンプル。信じて投げ続けられるから。要は、「実際めちゃくちゃ釣れるんだもん!」ってことです(笑)

写真は私のエギ王K愛が溢れ出ているエギケース(実はコレクションはここには全然収まりきっていないけど・・・笑)!本当、どれも頼りがいがあるんですよね。特にお気に入りのカラーは、軍艦グリーン、ムラムラチェリー、そして今は亡きパープルシャドウ…。この並びを見ているだけでお酒が飲めそうです(笑)
飛距離、フォール姿勢、ダート感・・・すべてにおいてレベルが高い。何より、私の感覚にピッタリと合う。もし「まだ使ったことがない」という方がいたら、ぜひ一度この安心感を体感してみてほしい。
自信を持っておすすめできる、私の右腕、いや、もはや両腕です。
最後に
自分で考え、悩み、その結果として導き出した「一打」で釣れたイカは、最高に可愛いです。
エギングに正解はありません。でも、「自分なりの理由」を持って海に立つことで、景色は全く違って見えてきます。皆さんも、ぜひ「考えて釣った最高の一杯」のエピソードを聞かせてください!
あなたの「狙い通りの一杯」も募集中! ぜひ私のXのアカウントへメンションやDMで教えてください。皆さんのロジカルな釣り、楽しみにしています。
これからも「墨と銀鱗」は、釣りを科学し、考えるエギングを追求していきます。


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